見積書の見方


見積書を受け取ったら、まずざっと目を通してみましょう。 見積りは本来「積算」といって、

図面から材料を一つ一つ拾い出し、その単価に個数をかけたものを積み上げて総額を出します。

しかし、使う材料や作り方がいつも変わらない工務店の場合は、床面積から総額をほぼ察することが

できるため、内容は辻褄合わせの場合があります。下の見積書の見方を参考に、

各項目に漏れがないかチェックしてみてください。 複数の工務店から見積りを取っている場合は、

それぞれの見積書の明細を比較することによって、見積りの精度やその工務店がどの材料を

安く仕入れることができるのかが分かります。見積りの精度があまりにも低い場合は、総額が安かったとしても

後々利益調整のために手抜きをされたり、追加工事を余儀なくされたりすることがありますので要注意です。

総額が安い工務店につい目が行きがちですが、見積書からできるだけ多くのことを読み取り、

総合的に判断することが大切です。なお、工事費は大きく分けて材料の仕入れ原価、職人の手間賃、

間接費や工務店の利益に分けることができますが、従来は特に工務店の利益を各項目に薄く乗せて正確には

分からないようにすることが慣例でした。しかし、最近では透明性の観点から、

これらをはっきりと分けて表示する工務店も出てきており、

今後はこの原価出しスタイルが主流になっていくものと予想されます。

また、そのような企業姿勢も工務店選びの材料としてください

◆見積書の見方

見積書の表記方法は、工務店よって各社各様です。正確な比較検討をするには、

各費用を統一の表示方式に再整理する必要がありますので、

以下の表示方法は一般的な事例としてご参照ください。

建築工事

仮設工事

建物を建てる準備に必要な工事です。作業をするための足場や、敷地や建物を囲うための仮囲い・養生、また工事をするための電力、水道、便所、警備員の費用などがあります。

運搬費

材料の運搬に必要な費用を表す項目です。一般的に、前面道路が広く、大型車両でまとめて運ぶことができる場合の方が、前面道路が狭く、小型車両で小分けにして運ぶ場合よりも割安になります。

地業・基礎工事

スウェーデン式サウンディング試験等の結果、その地盤に応じた基礎を造るための工事です。使われる鉄筋の量、コンクリートの平米数、型枠代などをそれぞれ別々に表記する場合と、これらの材料を一式計上し、「布基礎 ○m」と表される場合があります。

杭工事

ボーリング調査等の地盤調査の結果、その地盤に応じた杭を打ち込むための工事です。一口に杭といっても、地盤の状態や上に建てる建物の重さなどによって、何通りもの方法があります。

木工事

構造材や建材、造作材、釘等、木を扱う工事で生じる項目です。材料費だけでなく、大工さんの「手間賃」も含まれます。使用する木材の種類と寸法を一本、一本計上する場合と、「坪あたり」や「平米あたり」で計上される場合があります。

屋根工事

屋根や雨樋に関する工事です。使う材料によっては、板金工事に含まれる場合もあります。主に屋根材を葺く平米数によって表されますが、建物の床面積が同じでも、屋根の葺き方と勾配によって面積が変わります。また、屋根を葺かない鉄筋コンクリート造の建物の場合は、躯体工事として表されます。

外壁工事

サイディング等の外壁に関する工事で、主に平米数で表わされます。金額は使われる材料によって様々です。外壁に珪藻土などを塗る場合は、左官工事に含まれる場合もあります。

金属製建具工事

サッシなど、金属でできた窓やドアにかかる工事です。「SD」スチール製のドア、「AW」はアルミ製のサッシ(窓)を表します。このように、窓やドアは材質によって分類される場合と、外に面して使われるもの(外部建具)と、建物内で使われるもの(内部建具)に分類される場合があります。また、特に硝子工事という表記がなければ、硝子工事もこの項目に含まれます。

木製建具工事

木でできた窓やドア、その金物などの工事です。「WD」は木製のドア、「WW」は木製の窓を表します。(金属製建具工事を参照)

塗装工事

外部の軒裏や破風に塗装をしたり、内部の造作材、建具等に塗装をする工事です。塗装の方法によって費用が異なり、主に塗る面積の平米数で表記されます。この項目に防水工事が含まれることもあります。

防水工事

陸屋根(平らな屋根)やバルコニー、浴室まわり等の防水に必要な工事です。防水工事を行う面積の平米数で表記されます。FRPやシートを使う方法、アスファルトを塗布する方法等があり、屋上を利用する場合には、歩行用の特別な防水が必要になります。この項目には、外部建具(サッシ)まわりのシール工事が含まれることもあります。

石・タイル工事

外壁、玄関のポーチ、浴室などにタイルや石を貼る工事です。主に貼る面積の平米数で表記されます。コーナー部分に貼るタイルなどは「役物」と言います。

左官工事

主に、外壁材やタイルを貼るための下地を造る工事です。左官工事を行う面積の平米数で表記されます。下地の材料と仕上げ方によって、それぞれ費用が異なります。

電気設備工事

電気配線、スイッチ、コンセント、分電盤等、電気関係の工事項目です。スイッチにはその系統によって「3路」などがあります。コンセントには電気容量の多いエアコンや電子レンジなどに使われる専用コンセント、外部のコンセントとして使われる防水コンセントなどがあります。居室の照明器具は、見積りの条件によっては別途工事に計上されます。

給排水衛生設備工事

給水、排水、給湯の配管や排水桝、ガス工事などの工事項目です。配管は、口径(太さ)や材質、寒冷地などといった計画地の条件によっても費用が異なります。また、一般的には、便器や水栓などの細かい衛生機器もこの項目に含まれます。

雑工事

建物を引き渡す前のクリーニングやシロアリの防蟻処理などがこれにあたります。どの工事項目にも入らないものをまとめた項目です。

設計料

工務店が設計施工する場合には、工事費の3%〜5%の費用が計上されますが、建築家が設計監理を行ない、施工のみを工務店が行う場合は計上されないのが一般的です。

現場管理費

家を建てるために必要な、材料の納入管理や各職人のマネジメント、工程管理をする現場監督の直接経費を示す項目です。

諸経費

工務店の間接経費と利益を示す項目です。上記合計額の「〇%」という形で計上され、工務店の規模の大小、適正利益の考え方によって、パーセンテージは異なります。また、特に諸経費という項目を設けず、各工事項目に振り分けて計上される場合もあります。


調査申請費

地盤調査費

スウェーデン式サウンディング試験、ボーリング調査など、地盤を調べるためにかかる項目です。

敷地測量費

敷地の高低差、面積、形状を測るのに必要な項目です。

申請手続費

建築確認を申請するための実費やその経費の項目です。計画内容、行政の指導などによっては、建築確認申請作業だけでなく、特別な作業が必要になるため、更に費用がかかることがあります。


別途工事

空調工事

エアコン等の空調工事。見積りの条件によっては別途工事で計上されず、建築工事の「電気設備工事」、「雑工事」等で計上されることもあります。

外構工事

門扉、植栽等の工事。見積りの条件によっては別途工事で計上されず、建築工事の各種工事で計上されることもあります。

照明器具工事

居室の照明器具の工事。見積りの条件によっては別途工事で計上されず、建築工事の「電気設備工事」、「雑工事」等で計上されることもあります。

解体工事

既存家屋の取り壊し工事。見積りの条件によっては別途工事で計上されず、建築工事の1項目として計上されることもあります。

カーテン工事

カーテン・ブラインド等の工事。見積りの条件によっては別途工事で計上されず、建築工事の「雑工事」等で計上されることもあります。

『出典:ザ・ハウス@住宅知識』

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